オフィス移転に必要な費用は?相場や内訳・負担を減らす「居抜き退去」について
2024.10.07
オフィスの移転を考えるとき、かかる費用が気になる事業主の方は多いでしょう。内訳や目安を把握していないと、想像以上に費用がかさむ可能性があります。今回は、移転の際にかかる費用の内訳・相場を、現オフィス・新オフィスに分けて細かく解説。負担を大きく減らせる「居抜き退去」の方法も参考にして、オフィス移転を成功させましょう。
目次
オフィス移転にかかる費用総額はいくら?
オフィス移転にかかる費用は、数十万円〜数百万円。
オフィスの規模や工事の内容などさまざまな要因で費用は変動します。
オフィスを移転する際にかかる合計費用は、オフィスの規模、従業員の数などによって変わります。移転先にどんな物件を選ぶか、オフィス内の工事範囲はどのくらいか、どんな業者に引っ越しを依頼するかなどの要因によっても変わるでしょう。
一般的な傾向として、かかる費用は「40万円〜/坪」程度ともいわれているものの、それぞれの持つ要因によって変化するため、具体的な金額を算出するのは難しいのが実情です。
【オフィス移転にかかる費用を左右する要因】
- オフィスの規模・面積
- 従業員数
- 引っ越し業者
- 移転先の物件
- 工事の内容・範囲 など
オフィス移転に必要な費用の内訳
現オフィスに関連する主な費用 | 新オフィスに関連する主な費用 |
---|---|
|
|
オフィスを移転する際にかかる費用は、現オフィスの退去や解約、引っ越しに関連する費用と、新オフィスの契約・構築にかかる費用の大きく2つに分けられます。
自社の状況に合わせてそれぞれの内訳を把握し、予算を組んだり移転のスケジュールを立てたりすることが大切です。内訳の詳細は後述します。
オフィス移転に必要な費用の内訳【現オフィス編】
オフィス移転の際に、現オフィスの退去や引っ越しにかかる費用の内訳は上記のとおりです。各費用の目安や内容の詳細を紹介します。
退去日までの現オフィスの家賃
契約上、現オフィスを退去する日までは家賃や管理費などの支払いが必要です。一般的に、現オフィスを退去する日の6カ月前までに、「解約予告」を行う必要があります。
たとえ、退去日よりも早く新オフィスへの引っ越しが完了していても、退去日までは家賃の支払いが必要です。反対に、退去日を過ぎても移転が完了していない場合、追加で家賃を支払わなければならないため注意しましょう。
また、移転スケジュールによっては、現オフィスと新オフィスの賃貸契約が重なってしまうケースもあります。一時的に家賃や管理費の支払いが二重でかかるため、スケジュールの立案と費用の算出は慎重に行いましょう。
原状回復工事費用
相場:3~20万円/坪
退去時には、オフィスを契約したときの状態に戻す原状回復工事が必要です。この費用は、オフィス移転をする際の大きな負担になることが多いため、見積もりなど早めに取るようにしましょう。
費用相場は現オフィスの立地やビルの規模、フロアの広さ、工事内容などによって異なりますが、3〜20万円/坪程度かかる傾向にあります。あくまで相場として捉え、詳しい費用は業者に確認しましょう。
不用品の処分費用
相場:10万円〜15万円
オフィス移転に伴い不要になった家具や什器、設備の処分費用も考慮しましょう。費用相場はあくまでも目安です。オフィスによってほとんどかからないこともありますが、新しいオフィスに合わせて買いそろえるものが多い場合は処分するものも多くなり、意外に費用がかさむことがあります。
とくに、大型の什器や電子機器は専門の業者に依頼する必要があり、処分費用が高額になりやすいです。処分ではなく、買い取りサービスを利用するのもよいでしょう。
引っ越し費用
相場:1人当たり3〜5万円
引っ越し費用も、移転先までの距離や運ぶ物品の量、引っ越し業者の種類などの要因によって大きく費用が異なります。一般的には1人当たり3〜5万円ほどかかると考え、計算しておくとよいでしょう。
引っ越し業者に見積もりを依頼し、複数の業者から比較して業者を選定してください。オフィス移転専門の引っ越し業者を選ぶと安心でしょう。
オフィス移転に必要な費用の内訳【新オフィス編】
オフィス移転の際には、新しいオフィスの契約・入居や内装工事などにも費用がかかります。主な費用の内訳と目安を見ていきましょう。
新オフィスの契約・入居にかかる費用
相場:2万円~10万円/坪
内容 | 費用の相場(一般的な目安) |
---|---|
前家賃 | 賃料の2カ月分ほど |
敷金 | 50坪未満の場合:4~6カ月分ほど 50坪以上の場合:6~12カ月分ほど |
礼金 | 賃料の1~2カ月分ほど |
保証会社費用 | 賃料の半月~1カ月分ほど |
仲介手数料 | 賃料の1カ月分ほど |
火災保険料 | 2年契約で3万円ほど |
新オフィスの契約や入居にかかる費用は、敷金、礼金、仲介手数料などです。敷金は契約によりますが、一般的に家賃の数カ月分、礼金も同様に家賃の1〜2カ月分かかる場合が多いでしょう。
ほかに、契約時には保証会社の利用料や火災保険料の支払いも必要です。1坪当たり2万円~10万円と幅が広いため、賃料を概算で見積もり計算していくとよいでしょう。
内装・インフラ工事の費用
内容 | 費用の相場(一般的な目安) |
---|---|
内装工事 | 10〜30万円/坪 |
インフラ工事 | 5~15万円/人 |
設備工事 | 20~35万円/坪 |
新オフィスの内装やインフラ工事には、実際の工事費用だけでなくデザイン費用、電気工事費用などが含まれます。現代のオフィスでは必須となったネットワークの配線工事も必要であるため、想像以上に高くつくこともあるでしょう。
他の費用と同じく、工事の規模や内容によって費用は大きく変動するため、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
什器・家具・設備等の購入費用
相場:1人当たり20万円〜30万円
オフィスの移転に伴い、新オフィスに必要な什器や家具、設備の購入費用も考慮しておきましょう。執務室のデスクやチェアをはじめ、会議室のテーブルなどの基本的な家具をそろえていきます。
また、収納家具やパーティション、カウンターなども忘れずに選びましょう。これまで使っていたものが新しいオフィスのレイアウトやコンセプトに合う場合には、新調せずにそのまま使うと経費を削減できます。
この他、業務に必要なオフィス機器やIT設備、電話機やプリンターなども洗い出しておきましょう。
各種手続き・届出の費用
内容 | 費用の相場(一般的な目安) |
---|---|
各種手続きの費用(司法書士に依頼する場合) | 10万円〜20万円ほど |
新しい名刺・パンフレット等の制作費 | 1万円~2万円/人 |
IDカード等の作成費 | 1万円~2万円/人 |
オフィス移転に伴う法人登記の変更等を専門家に依頼する場合には、その費用が必要です。社員が行うこともできますが、予備費として準備しておくと安心でしょう。
また、オフィス移転に伴う広告宣伝費用や、名刺、封筒などの印刷物の変更費用も発生します。移転先ビルのフロア入場の際にIDやセキュリティカードを使用する場合には、その費用も見込んでおきましょう。
オフィス移転にかかる費用負担を減らすには?
何かと費用がかさむオフィスの移転ですが、上記5つの方法で費用負担を減らすことも可能です。それぞれについて詳しく解説します。
ゆとりあるスケジュールで計画的に進める
オフィス移転を成功させるため、スケジュールに余裕を持たせましょう。時間が充分に確保できていれば複数の業者に見積もりを依頼でき、不要な費用を見極める時間を作れます。
また、工事時間もこちらの希望が通りやすくなるでしょう。余裕を持って計画的に準備をすることで、移転費用の節約につながります。
自社の規模に適した移転先を選ぶ
自社の規模、従業員数に適した移転先を選ぶことも重要です。現在の従業員数ぴったりで選んでしまうと、増員する際に対応できない可能があるため、余裕をもった規模の移転先を選びましょう。
反対に、必要以上に広いオフィスを選ぶと、その分移転費用がかさみます。適した移転先を選ぶことで、新オフィスの契約や入居費用の削減ができるケースもあるでしょう。
また、場合によってはシェアオフィスなどの選択肢も視野に入れることをおすすめします。綿密な計画、移転の目的を明確にしたうえで、移転を実行しましょう。
家具や備品は可能な限り引き継ぐ
現在使用している物品をできる限り引き継ぐことで、什器や家具などの購入費用を抑えられます。オフィスチェアやデスクなどの大物家具は高価なものも多く、再利用を検討するにもおすすめです。新品にこだわらず、中古の物品を購入するのもよいでしょう。
不要品は処分ではなく売却を検討する
オフィス移転の際に不要となった物品は、単に処分するのではなく、売却も検討してみましょう。処分するにも何かと費用がかかります。
オフィス関連用品はしっかりした作りのものや長く使えるものも多いため、使用可能なオフィス家具や電子機器は需要があります。売却することで処分費用の節約につながるばかりか、新しい物品を購入する資金も得られるかもしれません。
居抜き退去を検討する
オフィス移転の際には、「居抜き退去」も検討してみましょう。「居抜き退去」とは、現オフィス内の設備や内装を残した状態で退去する方法で、移転の際の負担が大きい「原状回復工事費用」を大幅に削減できます。
居抜き物件を探している人も多くいるため、需要も高いです。退去の際には原状回復工事を削減できる以外にもメリットが豊富にあるので、前向きに検討してみましょう。
オフィスの移転の賢い選択「居抜き退去」とは
オフィスを移転する場合、条件を満たせば居抜き退去が可能です。メリット・デメリットについて紹介します。
オフィス移転を「居抜き退去」で進めるメリット
- 原状回復工事費用を大幅に削減できる
- 備品や設備の処分費用の負担を減らせる
- 移転のスケジュールを短縮できる
居抜き退去の最大のメリットは、原状回復工事費用を大幅に削減できる点です。オフィス移転にはさまざまな費用がかかりますが、その中でも原状回復工事の費用負担は大きなもの。その費用が削減できるうえ、契約によっては備品や設備等の処分費用を減らせるケースもあります。
また、居抜き退去を選択することで、原状回復工事にかかる期間がいらないため、移転のスケジュールを短縮できるでしょう。退去する側だけでなく、次の入居者にとっても引き継ぎがスムーズできるメリットがあります。
オフィス移転を「居抜き退去」で進めるデメリット
- 物件の貸主への承諾が必要
- 後続テナントが見つからない可能性もある
居抜き退去は、物件の貸主に承諾を得ないとできません。場合によっては承諾を得るのに時間がかかることもあります。居抜き退去の可否が分からない状況でスケジュールが立てられず、費用の準備も始められない、ということもあるでしょう。
また、現オフィスのニーズに合う次の入居者が見つからない可能性も考えられます。
居抜き退去でオフィスの移転を成功させるポイント
- 物件の契約書をよく確認する
- 早めに行動して漏れなく確認・交渉をする
- 居抜き売却に特化した業者に相談する
居抜き退去を検討する際には、現オフィスの契約書をよく確認して居抜き退去できるかどうかチェックしてみましょう。早めに貸主に相談をし、居抜き退去について承諾を得ることも重要です。承諾が得られれば、移転に向けてのスケジュール調整や予算を立てるなど具体的に始められます。
また、居抜き退去を考える場合は、「居抜き売却」に特化した業者への相談がおすすめです。居抜きに関する疑問点や不安点などを解消しながら、次の入居者探しをしてもらえるでしょう。
居抜き退去でオフィスの移転を成功させるポイント
- 原状回復が不要!費用をかけず退去できる
- 業界初!売却手数料0円
- 専門スタッフの営業力を武器に希望の売却先をお探し
- 買取り希望者が見つかりやすい!登録者約10万人の物件検索サイトに掲載
- 豊富な取引実績で査定から売却まで一貫サポート
店舗買取り.comは、居抜き物件の売却に特化しています。業界初の売却手数料0円で、オフィス移転を検討中の事業主様を費用面でも大きくサポート。もちろん、居抜きに関する豊富なノウハウがあるため、進めていくうえでの疑問点も解消し、スムーズな居抜き退去を実現します。
また、物件の新しいオーナーを探す「居抜き店舗.com」も運営しており、理想の売却先も見つかりやすいでしょう。
「居抜き退去」で賢くオフィス移転を成功させましょう!
オフィスの移転にかかる費用は、オフィスの規模・従業員の数・移転先に選ぶ物件などさまざまな要素によっては幅があります。現オフィスの解約・退去と新オフィスの契約・構築、それぞれで必要な費用を解説しましたので、目安を算出してみてください。スケジュールの立て方や退去の方法などを工夫して、オフィスの移転費用を削減することも可能です。
オフィス移転の中でも、多くの時間と費用がかかるのが原状回復工事です。「居抜き退去」を選択すれば、この原状回復工事を大幅に削減できます。居抜き退去を検討する場合には、経験豊富でノウハウを持った店舗買取り.comにぜひご相談ください。
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