家賃保証とは?仕組みやメリット・デメリット・保証会社選びのポイントを解説
2024.10.07
「家賃保証」とは、賃貸物件契約において活用されるサービスです。具体的にどのような制度であり、貸主・借主にとってどんなメリットがあるのでしょうか。今回は、家賃保証の概要とメリット・デメリットをご紹介します。また、保証会社を選ぶ際のポイントについても解説しますので、合う保証会社を選びましょう。
目次
家賃保証とは?
家賃保証とは、借主が家賃の支払いを滞納した場合に備える保証サービスです。
家賃保証とは、物件の貸主が借主の家賃滞納リスクを軽減するために利用するサービスです。借主が家賃の支払いを滞納した場合、家賃保証会社が代わりに家賃を支払うため、貸主の収入は安定します。
家賃収入が保証されていることで、借主は連帯保証人を探す必要がなく物件が借りられ、貸主は家賃滞納リスクがなく貸しやすい、両者にとってWin-Winの制度といえるでしょう。
家賃保証の仕組み
家賃保証を利用する際は、物件の貸主、借主それぞれが家賃保証会社と契約(委託契約)を結びます。借主が家賃を滞納した場合、貸主が家賃債務保証会社に立替請求をすると、「代位弁済」として家賃保証会社が借主に代わって家賃の支払いを実施。
家賃保証会社が立替払いをした後、今度は家賃保証会社から借主に対して「求償権」が発生。家賃保証会社からの請求を受け、借主は家賃保証会社に対して滞納していた分の家賃を支払います。「代位弁済」により借主から貸主への返済義務はなくなるものの、立替をしてもらった家賃保証会社に返済が必要です。
家賃保証会社の役割
家賃保証会社の役割は、物件の貸主と借主の間に立って家賃の支払いを保証することです。家賃保証会社が「保証人」の役割を果たすため、借主の家賃滞納リスクに備えられ、貸主の収入を確保できます。貸主もより安心して物件を貸すことができるでしょう。
また、家賃保証会社は借主の信用調査も行うため、信頼できる物件の借主を見つけやすくなるメリットもあります。
家賃保証とサブリース・連帯保証人の違い
家賃保証と似たサービスに、サブリースがあります。どのような違いがあるのかご紹介します。また、賃貸を借りる際に必要となると思われることの多い連帯保証人との違いについても解説します。
家賃保証とサブリースの違い
家賃保証 | サブリース |
---|---|
借主の家賃滞納時に立替払いをする | 賃貸物件を一括で借り上げ、再貸しする |
サブリースは貸主から物件を一括で借り上げて、借主に再貸しする形態。家賃保証同様、借主の収入が安定するため、家賃保証と混同してしまいがちです。
しかし、サブリースを行う会社と物件の貸主が契約を締結し、賃貸の入退去や管理などは管理会社がすべて行います。家賃支払いの心配が不要なだけでなく、物件の管理のすべてを任せられると考えると分かりやすいでしょう。
対して家賃保証は、借主が家賃を滞納したときに家賃保証会社が代わりに支払うサービスです。
家賃保証と連帯保証人の違い
家賃保証 | 連帯保証人 |
---|---|
家賃滞納時、保証会社が立替払いをする | 家賃滞納等の費用を、個人が立替払いをする |
連帯保証人は、借主が家賃を支払えないときに代わりに支払う義務を負う個人です。家賃に加えて、原状回復費用や修繕費なども代わりに支払う必要があり、原則借主と同じ範囲の責任を負わなければなりません。
かつて、賃貸物件を借りる際には、連帯保証人をつけることが多くありました。しかし、損害が大きい場合は連帯保証人にかかる負担が増えることや、連帯保証人を探す手間がかかるなどの面から、最近では家賃保証会社を利用するケースが増えています。
家賃保証会社と契約するメリット
家賃保証会社と契約するメリットを、貸主、借主、不動産会社の3つの視点からご紹介します。
「貸主」にとってのメリット
- 家賃滞納の不安が軽減される
- 家賃滞納発生時の諸手続きの手間がなくなる
- 保証会社に信頼できる借主を見つけてもらえる
貸主にとってのもっとも大きなメリットは、家賃滞納時に家賃保証会社が家賃を立て替えてくれることです。「家賃の支払いが滞らないか」という不安を感じることなく、貸主は常に安定した家賃収入を確保でき、スムーズに物件の運営ができるでしょう。
もし家賃滞納が発生しても、再請求や督促の手間はすべて家賃保証会社が行ってくれます。また、借主が家賃保証会社と契約するには審査が必要です。信頼性の高い借主を選定するのにも役立ちます。
「借主」にとってのメリット
- 連帯保証人をつけられなくても物件を借りやすい
- 万が一の家賃滞納時もトラブルを避けやすい
借主と同じ範囲の責任を負う必要がある連帯保証人は、頼んでもなかなか引き受けてもらえないことが多いでしょう。連帯保証人をお願いできる人がいない借主であっても、家賃保証会社と契約することで物件を借りやすくなることは、大きなメリットです。
また、万が一家賃を滞納してしまった場合でも、家賃保証会社によって一時的に立替払いを行ってもらえます。家賃保証会社によっては、借主に対するサポートが用意されているケースもあるでしょう。
ただし、物件によっては家賃保証会社との契約と連帯保証人、両方必要であるケースもあるため注意が必要です。
「不動産会社」にとってのメリット
- 物件契約の手続きを円滑に進めやすくなる
- 業務効率化を目指せる
物件契約時に、借主が連帯保証人を見つけられないと契約手続きが滞ってしまうこともあります。前述したとおり、連帯保証人はなかなか引き受けてもらえるものではありません。頼める家族や親戚がない人もいます。
家賃保証会社を利用している物件であれば、連帯保証人の問題が比較的少なく、手続きが円滑に進みやすいでしょう。不動産会社としての本来の業務に集中しやすくなり、業務効率の向上を目指せると考えられます。
家賃保証会社の契約で注意すべきデメリット
家賃保証会社の契約では、デメリットもあります。注意すべきデメリットについて知っておきましょう。
「貸主」にとってのデメリット
- 保証料の負担を嫌う借主からは敬遠されることもある
- 保証会社によっては対応が円滑でない場合もある
- 保証会社の破産や倒産のリスクもゼロではない
連帯保証人を立てられる借主の場合には、保証料の負担が大きいと感じる人もいます。物件を借りるときに、家賃だけではなく敷金や礼金も発生する中で、保証料まで上乗せされてしまうからです。連帯保証人だけで借りられる物件を優先的に選ぶ可能性もあり、物件の契約を敬遠されることもあるでしょう。
また、家賃保証会社によっては、対応が遅くスムーズに進まないこともあります。家賃保証会社の経営状況が危うかったり、ノウハウが不足していたりする可能性もゼロではありません。家賃保証会社が倒産してしまえば、賃料の保証以前の問題となってしまいます。信頼のおける家賃保証会社を選ぶことが重要です。
「借主」にとってのデメリット
- 保証会社に保証料を支払う必要がある
- 保証会社の審査が厳しい場合もある
- 連帯保証人の設置が必要な場合もある
借主にとっては、保証料の負担が大きく感じる可能性があります。保証会社によっては審査が厳しく、物件契約ができないケースもゼロではありません。
また、物件によっては、保証会社との契約だけでなく、連帯保証人の設置の両方を求められるケースもあります。保証料が発生するうえ、連帯保証人も探さなくてはならないこともあるでしょう。
「不動産会社」にとってのデメリット
- 信頼のおける保証会社でないと業務が煩雑になる可能性もある
不動産会社の目線から考えると、家賃保証会社との連携・やり取りが不十分な場合には、かえって業務が煩雑になる可能性も考えられます。審査の結果がなかなか出ない、進捗状況が見えず貸主・借主との間で気まずい立場となることもあるでしょう。
不動産会社としても、信頼のおける家賃保証会社選びが欠かせません。
家賃保証会社の契約方法【借主向け】
借主として、家賃保証会社と契約する方法を紹介します。
家賃保証会社との契約に必要なもの
- 賃貸保証会社用申込書
- 身分証明書のコピー(運転免許証や健康保険証など)
- 収入証明書 (源泉徴収票や給与明細書など)
- 在籍証明書
審査では職種や雇用形態、勤続年数や収入、年齢などがチェックされるため、確認できる身分証明書や収入証明書関連の書類などの提出が求められます。家賃は収入の30%程度に収まる程度が目安とされているため、それをクリアする収入かどうかも確認されるでしょう。
なお、保証会社によって契約時に提出を求められるものは異なります。詳しくは、契約する保証会社にご確認ください。
家賃保証会社との契約手順
- 審査の申込書を提出する
- 身分証明書や収入証明書などを提出する
- 保証会社からの本人確認に応じる
審査の申込書や証明書類を提出しましょう。家賃保証会社によりますが、審査には1日〜数日程度かかることが多いです。電話等で本人確認を行うケースもあり、信用調査や本人確認が済むと契約が締結されます。
家賃保証会社を見つける際のポイント【貸主向け】
貸主として家賃保証会社をどのように見つけたらよいのか、ポイントを紹介します。
家賃保証会社の経営状況は安定しているか
いざというときに金銭的な問題を解決してもらうための保証会社です。保証会社自体の経営状況が不安定であると、借主の家賃滞納が発生した場合に対応が遅かったり、家賃の立替払いをしてもらえなかったり、トラブルに発展する可能性があります。
経営状況や対応の素早さ・正確さなどを加味し、信頼のおける保証会社かどうか確認しながら選びましょう。
保証の範囲は充実しているか
家賃保証会社によっては、限度額範囲内の賃料保証に加えて、原状回復費用や更新料などをサポートしてくれるケースもあります。賃料だけでなく、それ以外の費用もサポートしてもらえれば、安心して運営することができるでしょう。保証の範囲や対応してくれる内容は、保証会社によってまちまちです。しっかり確認して選ぶようにしましょう。
物件の種類に応じたノウハウがあるか
賃貸物件は、一般住宅であるか事業用であるかによって、家賃滞納時に必要な対応や原状回復の定義などが異なります。疑問点などがある場合も、その分野に詳しい保証会社であれば相談しやすく、すぐに回答を得られるでしょう。貸す物件の種類に精通した保証会社を選ぶことが大切です。
家賃保証会社の業界動向
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会 家賃債務保証事業者協議会の調査によると、「家賃滞納」に不安を抱える貸主は多い傾向にあります。貸主としては、従来の連帯保証人が必要な制度から、より確実に家賃収入を得られる保証会社を利用する傾向が高まってきていると考えられるでしょう。
借主目線でも、近年は高齢単身世帯も増加しているうえ、人間関係も希薄となってきていることもあり、連帯保証人を頼める人がいないケースも増加しています。
しかし、一般住宅向けの家賃保証は充実しているものの、事業用物件のサービスにはまだ課題が多いのが実情です。
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セーフティーイノベーションと他社のサービス比較
セーフティーイノベーション |
A社 | B社 | |
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保証範囲 |
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保証限度額 | 30カ月 | 36カ月 | 24カ月 |
初回保証料 | 賃料等の1カ月分 | 賃料等の1カ月分 | 賃料等の1カ月分 |
更新保証料 | 初回保証料の10% | 初回保証料の10% | 初回保証料の10% 上限3万円 |
契約期間 | 1年 | 1年 | 1年 |
連帯保証人 |
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原則不要 |
緊急連絡先 | 必要 | 必要 | 必要 |
審査必要書類 |
【申込者】
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【申込者】
【連帯保証人】
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【申込者】
【連帯保証人】
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家賃保証会社を選びましょう!
家賃保証とは、物件の貸主と借主双方にメリットがあるサービスです。貸主側は、家賃の滞納があった際に督促をする手間を省けて、安定した収入を確保できる安心感があるでしょう。また、借主目線で見ると、連帯保証人を頼めない場合でも物件を借りやすくなる可能性があります。家賃保証を活用する場合は、保証会社の経営状況やサービスをよく吟味して、契約するとよいでしょう。
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